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保育士がキャリアアップするための方法とオススメの転職先

キャリアアップ

保育士として経験年数を重ねていくと、今後のキャリアについて考える機会もあるのではないでしょうか?

実際に行われた保育士を対象としたアンケートでは、就業中に必要と思われる支援について「仕事に関する知識・技能の研修」と回答した保育士は60.6%に及び、(株式会社ポピンズ 平成23年度保育士の再就職支援に関する報告書データ集)自分自身のスキルアップを望む保育士は多いことがわかります。

しかし、保育業務や研修を重ねれば保育士としてのスキルアップは可能でも、それ以降のキャリアアップとなると選択肢は少なくなります。

今後、キャリアアップを目指したいと考える保育士はどのようなキャリアパスを歩んで行けば良いのでしょうか?

保育士のキャリアパス

一般的な会社には係長、課長、部長などの段階的なキャリアパスがあるものの、保育園での役職と言えば管理職の「主任保育士」を経て、経営職の「園長」を目指すことが一般的です。

大規模な保育所になってくると、「副主任」「副園長」などの補佐的役割もありますが、いずれにしてもそのポストは各1人となっています。

公立保育園の場合には転勤もあるため、勤務年数が長くなればほぼ年功序列で主任保育士・園長に登用されやすい傾向がありますが、私立保育園の場合は、経験を積めば誰でもなれるというものでもなく、前任者が退任しなければどんなに経験や知識が豊富でも役職に就けるというわけではありません。

家族経営の保育園の場合にはキャリアアップを実現することすら難しいでしょう。一方で、独自のキャリアアップ制度を設けて保育士のモチベーションを上げる工夫をしている保育所も存在します。

保育士が園長・主任になるには

保育士が主任、園長になるには

保育士が園長・主任になるのに特別な資格は必要ありません。しかし、園長とは保育園の長であり、保育に関することのみならず、経営・運営に関することにも十分な知識と理解が必要です。

また、主任は園長の補佐をすると共に保育士への指導や管理なども行う責任があり、どちらもやる気だけでこなせるものではありません。

一般的には、保育士として知識と経験を積み、クラス担任を経て主任保育士、園長へとキャリアパスを歩む方がほとんどです。

現在の職場でのキャリアアップを目指すのであれば、職場に役職に就きたい旨を伝えておきましょう。スキルアップ制度や、教育・研修制度があれば積極的に利用し、セミナーや勉強会などがあれば参加してみることもおススメです。

保育園以外でも活躍できる!保育士のキャリアアップにおすすめの転職先

働く保育園でそのまま経験を積むことも可能ですが、「保育の質を高めたい」「違う視点から保育を見つめ直したい」のであれば、保育士の資格を活かした異業種へと転職してみるのも良いでしょう。

①母子生活支援施設

18歳未満(必要に応じて20歳未満)の子どもを持つ母親で、何らかの事情により子どもの養育が困難な母子家庭(それに準ずる家庭)の母親と子どもが入所し、子どもの健全育成と母親の生活の自立を目指す施設です。

この施設では、母子指導員として母親の就労援助生活援助育児相談・援助を行ったり、子どもの保育学習支援を行います。

入居者の気持ちに寄り添い信頼関係を築きながら自立に向けた支援を行うことは、一般的な保育所では経験できないことの連続です。自分の価値観や視野が広がり、援助の幅の広さも実感することができます。

②医療保育士

主に病院に勤務し、長期入院している子ども達へ遊びの提供、生活習慣の指導、心身のケアなどを行います。

病気と闘っている子どもの心身の負担に配慮して保育を行ったり、闘病中の友人の死などでショックを受けている子どもへの適切な対応など、一般的な保育所では対応術を習得する機会のない場面も多々あります。

そのため、保育士から転職を希望する方には保育士資格のみならず、カウンセリングや医療・看護に関する知識にも学習意欲をもっている方が多いのです。

医療に携わるわけではありませんが、保育の対象者が心身ともに健康な子どもではない以上、医療・看護に関する知識はある程度必要だと言えるでしょう。

③プリスクール

日常生活に英語を取り入れて教育を行う保育施設ですが、英語の学習というよりは遊びや日常生活に英語を交えて行う実践的な英語教育となっています。

2016年8月1日付けの日本経済新聞Web版によると、小中高校の学習指導要領の改定案について「小学校5~6年生で外国語(英語)を正式教科にするほか、歌やゲームなどで英語に親しむ「外国語活動」の開始を3年生に早める。(中略)中央教育審議会の特別部会が同日、改定に関する審議のまとめ案を大筋了承した。」と発表しています。

小学校は2020年度から実施される見通しとのことで、今後も英語教育の低年齢化と共に、保護者からの英語教育ニーズはますます高まっていくことが予想されます。

プリスクールではネイティブの方をメインに、保育士はその補佐をしながら保育にあたり、遊戯や生活習慣の中で子どもたちが自然に英語を話せる環境を作っていきます。

いずれの場合も保育士資格を活かしながら一般的な保育所勤務ではできない経験や知識の習得が可能です。

他の専門職員と連携を取りながら働く環境は、視野を広げ、知識を深め、子どもや子どもを取り巻く環境をさまざまな方向から理解することができるのでキャリアアップにオススメです。

保育士のキャリアアップに繋がる資格とは

平成26年3月に東京都福祉保健局がまとめた「東京都保育士実態調査報告書」によると、平成20年4月から平成25年3月までに東京都に登録している全保育士31,550名のうち、保育士以外の取得資格で最も多いのは「幼稚園教諭(67.9%)」、次いで「特にない(17.7%)」「ホームヘルパー(7.6%)」「小学校教諭(6.0%)」と続いており、全体的には福祉や教育に関する資格が目立っています。

今後、キャリアアップを目指すのなら保育士資格以外の資格取得も積極的に取り組んでいきたいものです。

子どもの育ちや教育に関することだけではなく、経営や運営に関わることも学んでいくと差別化を図れるためオススメです。

①社会福祉士

社会福祉専門職の国家資格であり、ソーシャルワーカーとも呼ばれます。社会的弱者とその家族からの相談を受け、日常生活がスムーズに送れるように支援を行います。

保育を行っていく中でも子どもの問題行動への対応やアドバイスを求められることがありますが、社会福祉士の資格を取得しておくことで幅広い社会福祉の知識をもって適切な対応と支援を行うことが可能です。

②福祉施設士

全国社会福祉協議会が実施する「福祉施設長専門講座」の修了者に付与される民間資格です。福祉施設運営・管理の責任者である施設長に必要な専門的知識を習得することができます。

③社会福祉会計簿記

社会福祉法人の会計業務の専門的知識をもった人材育成のため、福祉総合評価機構により年に1回の認定試験が行われています。

保育施設を運営・管理していく上で、事業計画や会計業務などの事務作業も施設長(園長)の仕事の一つとなるため、事務経理に必要な会計知識や経営管理能力を身に付けておくと役立つでしょう

現状キャリアアップが難しい環境なら転職も選択肢の1つ

現在の職場でキャリアアップを実現するのが難しいのであれば、転職をするのも一つの方法です。

その場合、現在の職場で経験を積んだ後に転職するのか、明確なビジョンを実現させるために必要だと思う経験が積める職場へと転職してキャリアアップを目指すのか、自分の理想と照らし合わせて検討してみると良いでしょう。

実は、転職サイトにおいても役職の求人情報を取り扱っている保育士専門サイトがあります。主任保育士や園長を目指していて、「こんな保育がしたい!」という明確なビジョンがある方は転職サイトを利用した方が自分の理想に近い保育所を探す近道になるでしょう。

役職の求人情報の多くは非公開案件として取り扱われており、一般の方には公開されていない情報です。求人サイトは登録すると無料で利用できるので活用したい転職方法の1つです。

まとめ【役職は少なくとも、キャリアパスのルートは人それぞれ】

キャリアアップを目指し、保育士から主任保育士、そして園長への道を歩む中でも、時々は立ち止まって「現在の保育」と「自分の目指す保育」を見つめ直し、どのルートでキャリアパスを歩んでいくことが自分なりの正解なのかを考える機会を持つことは大切です。

現在の職場でのキャリアアップが望めそうになければ、転職も視野に入れましょう。保育士の転職はマイナスに働くことよりも、新たな価値観や知識を取り入れることができるためプラスに働くことの方が多いのです。

主任や園長の求人情報を取り扱っている保育士専門転職サイトを利用し、キャリアアップの相談やアドバイスをすることもキャリアパスの選択肢の幅が広がりおススメです。

【この記事の重要なポイント】
・保育所での役職は「主任保育士」と「園長」各1人
・役職に特別な資格は必要なくても、責任重大な役割は多い
・保育士資格を活かしながら専門分野への知識と理解を深める転職はキャリアアップに繋がる
・保育士以外の資格で最多は幼稚園教諭。役職を目指すなら経営・運営に関わる資格も積極的に取得しよう
・役職の求人情報を取扱う保育士転職サイトなら、自分の目指す保育を行っている保育園を探す近道になる