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乳児院で働く保育士の【仕事内容/給料/キャリア】を徹底解説

乳児院

保育士免許を駆使すれば、保育園の勤務以外にも就職口があるのをご存知でしょうか。保育士の資格を持っていると、児童福祉施設児童指導員としての就職があります。

児童指導員と聞くと通常の保育士業務よりも難しそうに感じますが、知識を働きながら蓄えて、経験を積めば誰だって出来る業務です。

また、通常の保育園は家族経営などが多い中、施設は家族経営している所の方が珍しいので、主任や更に上の課長などに昇進する事も可能です。

一度保育園で働く事が出来なくなって転職して来た保育士、ブランク明けの保育士など様々な人材が集まるのが乳児院です。

今回は、保育士に人気の乳児院にスポットを当てて紹介していきます。

乳児院で働く保育士の仕事内容と役割

乳児院とは、事情があって養育不可能になった子どもを引き取ったり、保護者と距離を置いた方が親子関係の再構築に良いと判断された子どもが集まる施設です。

もう一つ、子どもを引き取ってくれる児童養護施設もありますが、その児童養護施設との大きな違いは年齢制限です。

乳児院生後間もない子どもから、2歳児までの子どもを預かり養育する施設です。児童養護施設は、その2歳児まで養育された子どもが親許に帰る事が難しい場合に送られる、2歳~20歳までの子どもを集めた施設です。

ですから、乳児院に就職した場合は2歳児までの子どもの養育を担当する事になります。

1)子どもの養育

保育士の役割は、乳児院に預けられた子ども達の養育がメインになります。乳児院のポイントは、普通の知能・発達を持った子どもだけが来る訳ではありません。

勿論24時間看護が必要な子どもは病院へと収容されますが、知的障害肢体不自由視覚不自由聴覚不自由などの何かしら障害を持っている場合も、まずは乳児院へと養育が任されます。

そして、2歳になった時点でそれぞれの子どもに適した施設へと振り分けられるか、親許里親の所へと戻ります。

簡単な事はおむつ替えから食事入浴年齢を重ねるようになるとトイレトレーニング、ある程度の教養(絵本を読むなどの発達に合わせた学び)を子どもに付ける事が必要とされます。

障害児の場合も同じで、障害が少しでも改善し落ち着く様にと対応する事が求められます。

2)保護者の育児不安を聞く

乳児院の保育士の業務の中で、なるべく親許へと子どもを戻す努力をするという大切な仕事があります。

やはり子どもには親が必要で、どれだけ小さな子どもでも自分の親を求める気持ちは持っています。

保護者は施設と話し合いながら子どもと面会を行い、保健師や自治体の援助団体と共に育児を再び出来る環境を指導されながら作っていきます。

精神的に不安定である場合は、少しでもその精神を落ち着けて再び育児が出来るようになる為に専

門機関を受診し、カウンセリングや投薬治療を行います。

その中で、保育士に対しても、子どもを引き取った後の不安や子ども達の日常の世話の中で沸き上がる疑問を尋ねてくる事が多々あります。

その度に、保護者の不安な気持ち受容し、「辛かったですね」と不安な気持ちに寄り添い、保育士や周りにも保護者を助ける機関がある事を言い聞かせて孤独を取り除き、日常生活のお世話の質問には的確に「〇すればいいですよ。」と具体的な行動アドバイスを行うのも保育士の大切な役割です。

3)保護者と子どもの親子関係の援助

保育園の保育士と大きく違うのが、保護者子ども関係を取り持つ役割を持つ事です。

保育園に通う子ども達は、基本的に保護者との信頼関係は出来上がっています。

しかし、乳児院にいる子どもは、生まれて間もなく預けられた子どもなども中にはいて、信頼関係が全くない所から、保護者と子どもの信頼関係の構築を行わなければいけません。

慣れるまでは子どもは全く懐かずに泣いたり、保護者も泣く我が子に困惑する事もあります。

1歳~2歳になると、一度虐待ネグレクト、何かしらの精神的・肉体的なショックを受けた事で保護者へ警戒心を持ち、試し行動を取る場合もあります。

保護者はその試し行動が本当に子どもから嫌われていると勘違いして傷付き、更に親子関係に溝が出来てしまう事もあります。

その溝を作らせない為に、「〇ちゃんは今、まだ緊張して泣いてしまっているんですよ。大丈夫です、ゆっくり信頼関係を作りましょう。」「これは試し行動と言って、本当にお母さんやお父さんが好きだからこそ、気を引く為に拒否姿勢を取っているんです。

試し行動にとことん付き合って、〇ちゃんに歩み寄りましょう。」と、一つひとつの不安を解決し、保護者がまた子どもと向き合えるように励ます事が重要です。

乳児院で働く保育士の1日のスケジュール

乳児院の仕事内容を知っても、実際にどんな動きになるかはなかなかイメージを持つ事ができないでしょう。

ここでは乳児院で働く保育士がどんな勤務形態を取っているかを紹介していきます。施設は24時間365日稼働しているので、元々かなりの変則勤務です。

乳児院は勿論夜勤もありますし、行事の日や面会、何かトラブルがあった場合の立ち合いの際にはまた大きく勤務時間は変化します。

乳児院は閉鎖的な空間なので感染症も一度はやると凄いスピードで職員にも感染するので、交代などがよくある事も頭に入れていてください。

あくまで目安ですが、どんな時間にどんな仕事をするか知りましょう。

9:00:日中遊びを行います。その日の職員の人数、子どもの様子、天候によって室内遊び外遊びを行います。

10:00:引き続き日中遊びです。

12:00:11:00~食事が始まって、その流れでお昼寝に入ります。職員は寝かしつけを行い、必ず子ども達が寝ている間に窒息しないか巡回します。お昼寝の間に施設の掃除装飾づくりなどの雑務を行います。

13:00:同じく子どもを巡回しながら雑務を行います。

16:00:子ども達と遊びつつ、順番に入浴介助を行います。

18:00:夕食介助を行います。ここから夜勤の職員も加わる場合があります。

乳児院で働く保育士の年収/給料とキャリアパス

乳児院で働くのに、特別な経歴や、必ず子育て経験がないといけないという事はありません。新卒でもブランク明けの保育士でも、乳児クラスの経験がない人どんな人でも働く事が出来ます。

施設は夜勤や転勤、人間関係から人の入れ替わり激しく人手不足に陥る所ばかりです。しかし、転職などをする際に、少しだけ有利になるのは乳児クラスを担当した事がある、子育て経験がある人です。

やはり即戦力として施設側は採用するので、経験があればあるだけ有利です。そして、気になる年収ですが、基本給が普通の保育園よりも高く設定されている17万~19万の所が多い上に、賞与もきっちりしているので平均して250万~300万以上だと言われています。また、昇給・役職手当もあるので、働けば働くだけ結果として付いて来てくれる、やり甲斐のある職場です。

乳児院で働く保育士のメリットとデメリット

可愛い生後間もない子どもから2歳児の天使のような時期の子どもと接する事の出来る夢のような職場だと思う人も多いですが、勿論良い事ばかりではありません。

他の保育園で乳児クラスを担任したくて就職・転職したのに幼児に回されたなどの事もなく、願った年齢の子どもの保育に関われる仕事ではありますが、その分普通の保育園の子ども達のように保育すればいいわけでもありません。

乳児院にいる子どもは、普通の保育園にいる子ども達とは違います。それをしっかりと頭に入れてから働き始めるようにした方がいいでしょう。

メリット1)昇進が期待できる

保育士として嬉しいのがこの昇進です。保育園経験は、求人票を見ても分かるように家族経営が多いのが現状です。

ですから、上位職はほとんど親族経営となり、従業員である親族外の保育士はいくら優秀でも昇進は期待できません。

昇進出来なければ勿論役職手当も期待できないので、昇給も絶望的です。

しかし、乳児院は親族経営をしている所が少なく、主任などの上位職にも勤め続ければなれる可能性は十分にあります。

昇進しやすい条件にも順番があり、一番昇進が早いのは四年大学卒業の保育士です。次に短期大学卒業、そして専門学校卒業、最後に通信教育の保育士です。

しかし、職場によっては勤務態度や勤続年数を重視する所もあるので、就職・転職を意識した際には昇進条件も確認しておくといいでしょう。

メリット2)普通の保育園にも転職しやすい

乳児院で働く中で行うのは、普通の保育園の乳児の日中保育と変わらない事ばかりです。

ですから、もしも普通の保育園へと転職したいと思った際には乳児院で培ったスキルがかなり活きます。

児童養護施設は、年齢幅が広い為に乳児の担当になれずに小学生や中学生の担当になる可能性もあり、普通の保育園に転職する際に活かせるスキルが少ないというデメリットがあります。

乳児院は最も保育園から近い施設なので、乳児のお世話スキルを身に付ける事が出来る乳児院への就職・転職は将来の選択肢を広げます。

メリット3)給与が高い

保育士給与が低いのは有名な話で、今も厚生労働省へと抗議が殺到しています。

しかし、なかなか改善されていないのが現状です。そんな中でも、乳児院は元々の基本給が普通の保育園よりも高く設定されており、更に嬉しい事に夜勤手当が付きます。

夜勤手当は安い所でも一回につき5,000円~貰えるので、普通の保育士の給料とは全く違う高い額を貰う事が出来ます。

また、施設の方が福利厚生がしっかりしており、有給の消化率も高いので、金銭面や福利厚生を考えると、断然施設の方が良いと言えます。

更に嬉しいのは、夜勤明けには一日休みが貰えるので、休みも多く自分の時間を持つ事が出来ます。

向いてる保育士として挙げられる像は、

心理的なケアの勉強を継続して出来る
・体力がある
・やる気がある
・他のユニット(看護部門、介護部門など)の職員とも上手くやっていける
・子どもが好きである
虐待をした親に対して憤りを持たずに接する事が出来る

上記が挙げられます。特に、最後の虐待をした親に対し、親の努力や虐待の過去を反省する気持ちを評価して将来に繋げる声掛けを行えるなど、気持ちの切り替えが上手な人の方がむいていると言えます。

また、前述したように、子ども達は普通の保育園にいる子どもとは違い、親の居ない孤独過去に苛まれている子ども達ばかりです。

心理的なケアも当然必要になるので、乳児の心理学、被虐待児の心理ケアをしっかりと学び知識として蓄える事の出来る人材が求められます。

普通の保育園に勤めるよりも、働いた分はしっかりと給与と休み、福利厚生として返ってくるので、非常にやり甲斐のある職場と言えます。

デメリット1)夜勤がある為体調を崩しやすい

次はデメリットを紹介していきます。夜勤でお金も休みも貰えますが、やはり体調に変調をきたす保育士も中にはいます。

夜勤などで昼に寝て夜に起きる生活に馴染む事が出来ず、自律神経異常をきたして立ちくらみが頻繁に起こる、精神的に不安定になる、女性であれば生理不順の原因にもなります。また、夜勤の時間は職員も少なく、勤務時間長い為に業務が多く、見回りや子ども達の夜泣きにも対応しなければいけないのでかなり大変だと言えます。

乳児は何が起こるか分からないので、仮眠を取れない事だってあります。仮眠なしで長い夜勤をこなさなければいけないのは辛いでしょう。

また、職員不足の職場に行ってしまうと、月に6回以上の夜勤を任されてしまい月の半分以上は夜勤を行う事となってしまいます。

デメリット2)人間関係が複雑

保育園は保育士の人数が大半を占めますが、施設は違います。保育士、看護師、介護士(掃除担当の人を雇っている場合もあります)、栄養士、調理師など様々なユニットが存在します。

そしてそれぞれの仕事の線引きがきちっとされているので、少しでも出過ぎた事をすると怒られてしまいますし、他のユニットと提携しなければいけない場面で遅れてしまうと、他のユニットにも遅れをきたして反感を買ってしまいます。

なかなかユニットごとに詰所も違うのでコミュニケーションをゆっくり取る時間もなく、一度の失敗が挽回する機会もなく長く尾を引く事もあります。

普通の保育園よりも職員も役職も多い為に、人間関係は複雑化してしまう施設もあるようです。

デメリット3)心理的負荷

施設にいる子どもは前述したように、何らかの事情があって家に帰れない子どもばかりです。

中には名前を付ける事もなく捨てられた子どももおり、そういう子どもにはその当時の市長が名前を付ける事となっています。

そういった親は絶対に子どもに会いに来ませんし、来ても平気でお金を寄越せと職員に詰め寄ったり、子どもに対してぞんざいな態度を取ったりもします。

他にも、まだ乳児なのに体に壮絶な虐待の痕があったりと、胸を痛める場面は多く遭遇します。それが乳児院です。

その精神的なダメージ、子どもへの可哀想だと感じる心精神に負荷を掛けてしまい、体調を崩したり精神疾患を負ってしまう可能性もあります。心がタフな人、感情移入を最低限にセーブできる人、そして何よりも仕事と割り切る事も時には必要です。

デメリットを総合して見てみると、精神的な負荷が普通の保育士よりも大きい事が分かります。前述した様に、どんな状況でも心が折れない自信がある人、仕事だと割り切って感情をなるべく挟まない保育士には適した職場になっています。

ユニット同士の派閥争いも、我関せずに仕事へ集中できる人であれば気にならないでしょう。仕事だととにかく割り切って、子どもの発達だけに神経と保育の技術を注ぐと良いと思います。

そして、体調に関しては個人差がありますし、精神的な疾患はかなり長い間尾を引くので、精神疾患を負いそうだと感じた場合はなるべく早く職を変える事をオススメします。

乳児院の職場選び

メリット・デメリットを読んでも問題ないと感じた保育士の人が次に進むのが職場選びです。

勿論福利厚生が良くお給料が良い所に決めたいですが、きちんと確認しなければ就職した後に苦労する点がいくつかあるのでそこは押さえておいてください。

保育士は幸いな事に、一般職の様に3年間我慢をして同じ所に勤めなくても転職先はすぐに見つかります。

しかし、出来れば同じ所で長く勤めてキャリアを積み、昇進・昇給したいですよね。その為にも職探しには慎重になりましょう。

1)施設の規模と職員数に注目する

大きな施設であれば、その分施設職員も多く、福利厚生もしっかりして安定しています。

ですからなるべく規模の大きい所を選ぶ気持ちは分かりますが、施設の規模ばかり見ていては足元を掬われます。

施設の規模が大きくても、それに伴う職員が配置されているかを必ず確認してください。

施設の規模が大きくても職員の数が少ない場合、一人ひとりの負担はかなり大きい職場です。

給与は他の乳児院と変わらない、あるいはそれ以下なのに業務だけは山積みなのは嫌ですよね。

2)パート職員の人数に注目する

パート職員の人数も確認の対象です。パート職員が正社員の数に対して多過ぎるのは、正社員登用無い施設の特徴です。

パートの職員を増やして業務をこなし、正社員を削っている証拠ですから、いくら「正社員登用試験あり」と書いてあっても、なかなか合格しなかったり上が詰まって試験自体を受ける事が出来ない事態に陥ります。

面接時に、聞きづらいとは思いますが、正社員登用は何年目から試験を受けられるのか、そしてその正社員登用の合格率平均人数も尋ねた方が無難です。

いくら働いても非正規職員では給与昇給も安定もありません。

3)施設の創立者や経営している所を確認

施設の創立者、そして施設長を確認するのも大切なポイントです。

求人票には必ず施設の経営団体施設長の名前が書かれています。その団体が家族経営であれば、昇進は難しいと考えられます。

親族経営の施設は、どうしても施設の上位職親族が就き、他の保育士は昇給こそあるものの、昇進が出来なかったり、正社員登用がなかなか叶わない傾向にあります。

大きな病院団体であれば、完全な勤続年数実力でのし上がる事が出来るので、折角ならば自分の実力を評価してくれる施設に就職を目指しましょう。

乳児院の求人を探すなら保育士専門の転職サイトを活用しよう

保育士専門の転職サイトがあるのをご存知ですか。名前の通り、保育士免許を持っている人しか使えない転職サイトで、普通の職業安定所よりも深い所まで乳児院の内部を探ってくれます。

例えば、何故前任者が辞めてしまったのかという理由、施設の内部構造情報(※補助費などをきちんと施設に使って綺麗に保っているなどのクリアな経営を行っているか)、将来性施設内の人間関係正社員までかかる平均の年数、勤務時間や残業時間の平均、子どもへの接し方、全てを転職サイトのスタッフが確認してきてくれます。

そして、少しでも人間関係や子どもの接し方に疑問を持つ乳児院は弾いてくれて、新しい場所を紹介していくれます。

また、面接にも付いて来てくれて、自分の転職に至った理由や長所を猛プッシュしてアピールしてくれるので合格率も高くなります。転職を考える際には、必ず利用してください。

転職で失敗しないためには、転職エージェント選びも重要です。

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